岸田文雄首相が成長戦略の柱の一つと位置付ける経済安全保障分野に関連し、政府は2022年度予算案に重要資源の確保に向けて957億円を計上した。次世代の自動車や電池、半導体に必要なレアアース(希土類)などの資源探査を強化・拡充する。
 経済や先端技術をめぐる米国と中国の覇権争いが激化する中、政府は自前の技術の育成や、半導体をはじめとする戦略物資・製品のサプライチェーン(供給網)強化を急ぐ。特に、レアアースは輸入の6割近くを中国に依存しており、調達先の分散が課題になっていた。
 半導体分野は「優先度が高い」(内閣官房幹部)として、既に21年度補正予算で海外先端メーカーの拠点誘致などに総額約7700億円を確保。22年度予算案でも、人工知能(AI)向け半導体の開発支援などに149億円を追加した。
 このほか、新型コロナウイルス危機で重要性が増した医薬品など医療分野の研究開発支援に261億円を計上。米国や欧州などで人権や環境への関心が高まり、日本企業の原材料や製品の調達などにも影響を及ぼし始めたことから、国際的なルールづくりで主導権を握るための調査費用など372億円も盛り込んだ。
 政府は来年の通常国会に経済安全保障推進法案を提出し、供給網強化や官民技術協力を後押ししたい考え。小林鷹之経済安全保障担当相は半導体など戦略物資・製品の確保について、「国の本気度が問われている」と強調している。 (C)時事通信社