大丸松坂屋百貨店を傘下に持つJ・フロントリテイリングの好本達也社長はインタビューに応じ、高級マンションやホテルといった、非商業施設の不動産開発を強化する方針を示した。ノウハウを持つ外部との資本業務提携も選択肢に含めている。新型コロナウイルス禍で打撃を受けた百貨店事業に依存する経営体質からの脱却を図る。
 同社は営業利益に占める不動産・金融事業の割合を、2019年度の2割から30年度は4割に高める方針を掲げている。百貨店周辺の物流センター跡地や、余剰となった百貨店の「別館」などの保有資産を活用し「商業施設を核に多角的にやりたい」考え。松坂屋がある名古屋市で現在、マンションを開発中だ。
 J・フロントリテイリングはパルコを完全子会社化したほか大型商業施設「GINZA SIX(ギンザシックス)」を運営するなど商業施設開発を得意とするが、非商業施設は手薄。好本社長は「組織の力を強め、利益が返ってくる形にする」として、経験者の採用や外部との提携により、自前で事業運営する考えを強調した。
 一方、百貨店事業について、「変わるチャンス。デジタル化(の方向)は間違いない」と指摘。ただ、「(ネット通販専業の)アマゾンになるわけではない。あくまで店頭や販売員を基点にする」と述べ、すでに持つ優良な店舗立地や顧客基盤を生かし、対面重視のオンラインサービスを拡大する方針を示した。 (C)時事通信社