【ハノイ時事】新型コロナウイルス感染防止に向け厳格な水際対策を講じ「優等生」と称されたベトナムで、4月下旬に始まった流行「第4波」が長期化している。ファム・ミン・チン首相は9月に「厳格な行動制限を永久に続けることはできない」として、経済活動を再開させつつ柔軟に感染防止策を講じる「コロナとの共存」に方針転換。だが、一時減少した新規感染者がこのところ連日1万5000人前後を記録する中、28日には感染力が強い変異株「オミクロン株」の感染者が初めて確認され、政府は苦戦を強いられている。
 企業の生産活動は政府の方針転換で徐々に回復。ベトナム政府は国際線運航の段階的再開や入国時の隔離期間短縮も計画している。コロナと共存しつつ、7~9月期に初のマイナス成長に沈んだ経済を立て直す構えだ。一時講じられた外出禁止措置は解除され、市民生活はおおむね平常を取り戻しつつある。
 新規感染者数は、第4波で流行の中心地になった最大都市ホーチミン市では徐々に減少。一方、首都ハノイでは27日に約2000人が見つかるなど急増し、市中心部で再び飲食店の営業が制限された。
 チン首相は先週の新型コロナ対策会議で、オミクロン株を警戒。「ベトナムへの流入と感染拡大を阻止することを目指す」と述べ、関係省庁に対策を指示していた。人の移動が活発化する年末年始、1月末から2月上旬のテト(旧正月)休暇などを控え、ベトナム政府は引き続き難しいかじ取りを迫られる。 (C)時事通信社