【ニューヨーク時事】2021年の米株式市場では、新型コロナウイルスのワクチン普及に伴う経済活動再開や大規模な金融緩和と財政出動を追い風に、ダウ工業株30種平均が過去最高値を付けた。ただ、急速なインフレを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)は金融緩和の転換を表明。コロナ変異株「オミクロン株」の感染拡大もあり、株価の先行き不透明感が強まっている。
 21年春、バイデン米政権が打ち出した大規模景気対策が成立し、ワクチンが普及し始めると、株価の上昇が加速。ダウ平均は7月に終値で初めて3万5000ドルを突破した。デルタ株の感染拡大で一時足踏みしたものの、11月には3万6000ドル台に達した。年間では約2割上昇、20年3月のコロナ禍後最安値からは2倍近くに値上がりした。
 ただ、年末が近づくにつれ、株価への逆風が吹きつつある。景気回復による急速な需要増加や国際的な物流混乱の影響で、「予想を超える物価上昇」(英オックスフォード・エコノミクス)が米国を直撃。「インフレ退治」に乗り出したFRBは、22年3月には量的緩和を終わらせ、利上げを模索する方針だ。
 オミクロン株の拡大で、経済活動を再規制する動きが世界的に広がり、旅行など人の往来が急激に減少。企業のオフィス復帰先送りなど、経済活動の正常化にもブレーキがかかっている。
 22年は、財政出動による景気の大幅な押し上げは期待できず、金融政策も引き締めへの転換が濃厚。それでも、米国の経済成長率は4%近くの高い伸びが見込まれており、「家計は良好で、個人消費など内需主導の景気回復が続く」(米エコノミスト)と強気の見方も少なくない。懸念材料が山積する中、米経済の地力が試されることになりそうだ。 (C)時事通信社