【ロンドン時事】新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」が猛威を振るう英国で、検査キットの在庫不足が深刻化している。人の交流が活発化する年末年始を控え、事前検査用の注文が殺到したためだ。ジョンソン首相は「パーティーに行くなら検査を」と呼び掛けているが、検査したくてもできない事態が続き、住民の間に不安と戸惑いが広がっている。
 英国では30日、1日当たりの新規感染者が18万9000人を突破し、過去最多を更新した。厳しい状況にもかかわらず、人口の大半を占めるイングランドでは行動規制が強化されず、自宅やパブで年越しパーティーを企画する人も多い。
 政府は、パーティーなどに参加する場合は感染検査を行うよう推奨。無償配布の簡易検査用キットの需要が急激に高まり、品不足でネット注文がなかなかできず、薬局などでも入手困難となっている。
 在ロンドンの40代女性は、年越しを家族と共に友人宅で過ごそうと計画。検査キットを求めて近所中の薬局で探したり電話で注文を試みたりしたが、どこにもなかった。女性は「(政府が)検査を推奨しておきながら、入手できないのはおかしい」とこぼす。
 当局は在庫不足の解消に努めるが、病院職員さえ入手できない状況で、検査せず外出する人も多いようだ。英メディアによると、ある専門家は「大みそかに(交流を通じて)感染が広がる確率は高く、検査不足はそうした状況を悪化させる。新年に何が起きるか非常に心配だ」と懸念を示した。 (C)時事通信社