経団連の十倉雅和会長は年頭インタビューに応じ、2022年度の景気について「ぜひとも3%を超える成長を期待したい」と述べ、コロナ禍からの回復に期待感を表明した。22年春闘に向けては、下請け企業がコスト増を価格に転嫁できるよう大企業に取引の見直しを求めた政府の意向を踏まえ、「中小企業を含めて成果を(賃金に)還元しようと訴えていく」と、賃上げの裾野拡大に協力する考えを示した。
 十倉氏は景気動向に関し、「懸念要因はコロナを克服できるかどうかとエネルギー資源高、半導体も含めた材料の調達難だ」と指摘した。
 賃上げについては、「重要な利害関係者である従業員に成果を還元するのは当然だ」と語り、業績が回復した企業に賃上げを促した。ただ、春闘では具体的な賃上げ目標は設けず、各社の個別交渉を尊重する考えを改めて示した。
 また、十倉氏は脱炭素化に向けて「原子力(発電)の問題は真摯(しんし)に議論すべきだ」と強調。再生可能エネルギーや、化石燃料の代替となるアンモニアや水素を使った発電には限界があるとして、「安全保障の状況も踏まえた冷静な議論が必要だ」と訴えた。
 経団連は、22年春をめどに地球温暖化対策で社会経済を変革する「グリーントランスフォーメーション(GX)」の提言をまとめる。この中で、原子力政策を明確に位置付けるよう政府に求める方針だ。 (C)時事通信社