【ワシントン時事】2022年のバイデン米政権は、11月の中間選挙で与党民主党が上下両院の優位を守り、「レームダック(死に体)化」を回避することが最大の課題だ。だが、インフレの長期化や新型コロナウイルスの感染再拡大に直面し、環境は厳しい。バイデン大統領の支持率は下落傾向が続き、就任1年にして早くも正念場を迎えている。
 「バイデンフレーション」とあだ名された記録的な物価高は今、米国の有権者にとって最大の関心事だ。CNNテレビが伝えた21年12月の世論調査結果では、経済分野の懸念として80%が「食品や生活用品の価格上昇」を挙げ、「住宅価格の上昇」「ガソリン価格の上昇」もそれぞれ70%超に上った。政権の対応に不満は大きく、54%がバイデン氏の経済政策を「支持しない」と回答した。
 新型コロナも悩みの種だ。変異株「オミクロン株」の拡散で、米国の感染者数は過去最多を更新。バイデン氏は「パニックになる必要はない」と冷静な対応を呼び掛けたが、検査拡充や軍による医療機関の支援が感染速度に追い付かず、批判を浴びている。マスクやワクチンの義務化も反発が大きく、思うように進んでいない。
 「現政権への通信簿」とされる中間選挙は、歴史的に与党に厳しい結果が出やすい。加えて22年は、10年に1度の下院の議席配分見直しの年。20年の国勢調査結果に基づく定数が共和党地盤の州で増え、民主党地盤の州で減ったため、政権は構造的にも逆風の中で選挙に臨むことになる。
 議会の主導権を共和党に奪われれば、政策推進力は一気に失われる。バイデン氏は起死回生に向け、子育て支援など中間層をターゲットにした大型歳出法案「ビルド・バック・ベター(より良い再建)」の早期成立に望みを託している。
 バイデン氏は、少数派人種の投票権保護や銃規制、警察改革も実現して政権の「成果」としたい考えだが、共和党の反対で停滞している。民主党左派はそうした党派色の濃い政策実現への突破口として、野党による「フィリバスター(議事妨害)」を封じる規則改正を主張。バイデン氏がどう判断するかも焦点の一つだ。 (C)時事通信社