世界各地は1日、新型コロナウイルスによる肺炎の発生が報告されて以来3度目となる新年を迎えた。感染力が強い変異株「オミクロン株」の拡散が続き、英国やフランス、イタリアでは大みそかに1日当たりの新規感染者数が過去最多を更新。一方で、年初を祝う行事が規模を縮小しながらも実施され、非常事態からの脱却とささやかな日常の復活を願う元日となった。
 ロンドンの英議会議事堂の大時計(ビッグベン)周辺は、新年の鐘の音を聞こうと集まった人々でごった返した。米ニューヨーク市のタイムズスクエアでは、恒例のカウントダウンイベントが2年ぶりに観客を入れて行われた。オミクロン株の流行で観客エリアの入場者数は通常の約4分の1に制限されたが、人々は年越しの瞬間、紙吹雪が舞う中、笑顔で抱き合い新年を祝った。
 メキシコから呼んだ父と参加したアルトゥーロ・サンドバルさん(30)は「ここに来られてうれしい。今年は家族も世界も健康であってほしい」と語った。
 主要都市中、世界で最も早く新年を迎えたシドニーでも、シドニー湾で花火が打ち上げられ、名所オペラハウスなどを明るく照らした。観客数は通常の100万人超ではなく、数万人にとどまったとみられる。
 米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、世界の新型コロナの累計感染者数は2億8800万人、死者は約544万人。デルタ株の流行継続とオミクロン株の急拡大で「感染の津波」(世界保健機関=WHO=のテドロス事務局長)が来るとの懸念もくすぶる中、パリの凱旋(がいせん)門での花火は中止。ロンドンでは人混みができないよう打ち上げ場所は事前に公表されなかった。
 だが、閉塞(へいそく)感は米英などで医療逼迫(ひっぱく)の危機が高まった昨年1月に比べ和らいでいる。英オックスフォード大研究者らのデータベース「アワー・ワールド・イン・データ」によれば、全世界人口の58.2%が少なくとも1回目のワクチン接種を済ませた。欧米各国当局は接種促進に焦点を定め、できるだけロックダウン(都市封鎖)を回避する方針を取る。
 ロイター通信によると、昨年11月に初めてオミクロン株の存在をWHOに報告した南アフリカでは、12月第4週に新規感染者数が減少に転じ、政府は「感染第4波のピークを越えた可能性がある」として真夜中から午前4時までの外出禁止措置を解除した。各国とも人の移動や経済活動への影響に一段と配慮しながら、効果的な感染拡大防止策を模索していくことになりそうだ。 (C)時事通信社