【ニューヨーク時事】新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた米国の映画館に客足が戻り始めた。変異株「オミクロン株」が猛威を振るう中、「スパイダーマン」シリーズの最新作などが大ヒットし、光明が差している。ただ、コロナ禍以前のにぎわいを回復するにはほど遠く、感染対策の強化などが今後の課題だ。
 米調査会社ボックス・オフィス・モジョによると、「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」は2021年12月に公開後、最初に迎えた週末の北米での興行収入が約2億6000万ドル(約300億円)と、統計史上2位を記録した。全世界では12月末までに総額10億ドルを突破。日本でも今月7日から上映される。
 米メディアによれば、アナリストの1人はスパイダーマンの最新作が「映画館の楽しみに飢えた観客を魅了した」と分析。興行収入も「数カ月前には考えられなかった(大きな)数字だ」とした上で、今回の成功が分水嶺(れい)となって、映画館は再び活況を取り戻すと予想した。
 一方、米市民を対象に21年10月に行われた世論調査では、約半数が映画館に行くのを控えていると回答。特に高齢者が衛生面で不安を訴え、「今後映画館に行く予定はない」との意見も1割弱を占めた。劇場側に座席配置の見直しなどの対応を求める声が多い。
 北米の映画年間興行収入は09年以降、100億ドル超の規模で推移してきた。しかし、20年はコロナ禍で約5分の1の20億ドル強に急減。21年は2倍の40億ドル超に盛り返したものの、19年の4割程度にとどまっている。
 22年は「トップガン」「ジュラシック・ワールド」シリーズの最新作などが公開予定で、北米の興行収入は21年から倍増するとの見方もある。 (C)時事通信社