数えで7年に1度の行事が、長野県でいずれも今年4月に開催される。善光寺(長野市)の「御開帳」と、諏訪大社(諏訪市など)の「御柱祭」だ。新型コロナウイルスの影響で御開帳が1年延期となったためで、重なるのは戦後初。コロナ禍冷え込んだ地域経済の回復に相乗効果も期待される一方、オミクロン株の急速な流行の恐れもあり、関係者は感染防止対策に万全を期す。
 御開帳は、秘仏の本尊を模した「前立本尊」を公開する行事。境内に立てた「回向柱」に触れることで、功徳が得られるとされる。2015年の前回は57日間で約707万人が訪れ、約1137億円の経済効果をもたらした。
 今回は、分散参拝を促すため4月3日から過去最長の88日間とした。多数の人が触れる回向柱には、抗ウイルス・抗菌効果のある光触媒のコーティング剤を塗るなどして感染防止に努める。若麻績享則寺務総長は「密を回避し、参拝者の安全、安心感の向上を期した」と話した。
 御柱祭は、山から切り出した巨木に大勢の氏子が乗って急斜面を駆け下る、勇壮な「木落し」で知られる。前回(16年)は約157万人の観衆が詰め掛け、約201億円の経済効果を上げた。
 諏訪大社の大総代は4月2日~6月15日の開催に向けたガイドラインを公開。コロナワクチン接種か72時間以内の検査を氏子の参加条件とし、諏訪圏域以外の人には観覧を控えるよう呼び掛けた。県の定める6段階の感染警戒レベルが4以上の場合、木落しなどは見送るとも明記した。茅野市などは、有料観覧席の一部を設けないことを決めた。
 万一クラスター(感染者集団)が発生するなどした場合、批判が集まり次回の開催が危ぶまれることが懸念材料の一つだ。今回の措置を「古来より続く伝統と歴史をもつ祭事を守り、継承するため」とし、理解を求める。大総代の一人は「1200年以上続けてきた神事をつぶすわけにはいかない」と話している。 (C)時事通信社