小児のステロイド感受性ネフローゼ症候群は、上気道感染に伴いしばしば再発する。英・Nottingham Children's HospitalのMartin T. Christian氏らは、上気道感染時の低用量ステロイド投与によりネフローゼ症候群の再発が予防できるか否かを、350例超のランダム化比較試験(RCT)で検討。上気道感染関連の再発率にステロイドとプラセボで有意差はないとJAMA Pediatr2021年12月20日オンライン版)に発表した。

十分な症例数を登録し、ランダム化

 小児ネフローゼ症候群の大半はステロイド療法により寛解するが、一方で再発率も極めて高い。再発にはさまざまな合併症が関連しており、特に上気道感染に伴う再発が多い。これまでに4件の研究で、上気道感染時の低用量プレドニゾロン5〜7日間連日投与による小児ネフローゼ症候群再発リスクの低下が示されているが、いずれも対象が南アジアか中東に限られた小規模研究で、ステロイド維持療法や基礎治療の影響が考慮されておらず、結果を一般化することは困難だった。

 Christian氏らは、英国の91施設の小児科で、再発性ステロイド感受性ネフローゼ症候群の患児365例をRCT PREDNOS 2に登録。プレドニゾロン15mg/m2/日の6日連続投与群とプラセボ群に1:1で割り付け、低用量プレドニゾロンにより上気道感染時の再発を予防できるか否かを検討した。主要評価項目は、修正intention-to-treat(ITT)集団における上気道感染症関連の初回再発率とし、副次評価項目は、同集団における全再発、基礎免疫抑制療法の変化、プレドニゾロンの累積投与量、重篤な有害事象の発現率、ステロイドの副作用発現率、QOLとした。

 基礎治療としての免疫抑制治療の有無は問わず、既にプレドニゾロン隔日服用中であった患児では、同一用量と15mg/m2/日のいずれか多い方を継続した。

主要・副次評価項目ともに有意差なし

 修正ITT集団は271例(平均年齢7.6±3.5歳、男児64.2%)で、プレドニゾロン群134例、プラセボ群137例だった。

 上気道感染症関連の初回再発は、プレドニゾロン群が131例中56例(42.7%)、プラセボ群が131例中58例(44.3%)で差はなかった(調整後リスク差-0.02、95%CI ー0.14〜0.10、P=0.70)。

 免疫抑制治療の有無による治療効果の差は認められなかった。また、いずれの副次評価項目においても両群に有意差は認められなかった。

 ステロイド感受性ネフローゼ症候群は、南アジア系の小児で約6倍とされるが、事後サブグループ解析による主要評価項目の比較では、南アジア系54例(リスク比0.66、95%CI 0.40~1.10)と他民族208例(同1.11、0.81~1.54)で介入の有効性に差は認められなかった。

 Christian氏らは「英国の小児ネフローゼ症候群に対し、上気道感染時に6日連続で低用量プレドニゾロンを投与しても、再発リスクは低下しないことが示唆された」と結論している。

 同氏らは、既報における上気道感染関連の再発率に基づき、十分な検出力が得られる症例数を登録したものの、民族格差を特定するサブ解析を行うには症例数が不足しており、この点については「さらなる研究が必要である」と付け加えている。

  • Prednisolone in Nephrotic Syndrome 2

(小路浩史)