まん延防止等重点措置の適用が決まった沖縄県で医療提供体制の逼迫(ひっぱく)懸念が強まっている。新型コロナウイルス新規感染者数が過去最多を連日更新する中、感染や濃厚接触による自宅待機などで休業を余儀なくされる医師や看護師らが続出。手術や入院を制限する病院も出ており、「医療は崩壊している」との声も上がる。
 県によると、休業中の医師や看護師、事務職員らは5日時点で約120人だったが、6日には約220人に上り、7日には21の医療機関で313人に達した。人手不足からコロナ病床の確保にも影響が出ている。
 県中部の地域医療を担う民間病院は、コロナ病床21床中、10床が埋まっている。医療従事者約20人が出勤できない状況で、10病棟のうち6病棟が患者の入退院もできない「封鎖」状態に追い込まれた。担当者は「昨年末から職員の感染が増え始め、家庭内の感染が多い。看護師が休むと病棟運営ができなくなる」とし、「患者の入退院や転院ができない。中部の病院はどこも入院は厳しい」と嘆く。
 その上で、「救急で入院が必要な場合は南部の病院に転院してもらうなど、何とかしのいでいる。はっきり言って医療崩壊している」と悲鳴を上げた。
 南部の民間中核病院でも医療従事者の休業が相次ぐ。担当者は「年明けから急に増え始め、年末年始の会食で感染した人がいる」と明かす。医療提供体制について「他の病院が救急を制限しているため、こちらの病院の救急が増えている。手術は重要度に応じて延期し、入院も待てるものは待ってもらっている」と話した。
 県のコロナ対策専門家会議メンバーで、沖縄赤十字病院第1救急部長の佐々木秀章医師は5日の会議で、「一番の問題は医療スタッフの休業。これが時間単位で増えている状況だ」と指摘。「医療供給の切羽詰まった状態が目に見えている」と危機感をあらわにした。 (C)時事通信社