【ワシントン時事】米労働省が7日発表した2021年12月の雇用統計で、失業率が新型コロナウイルス危機直前の20年2月以来となる3%台に改善した。コロナ新変異株「オミクロン株」が急拡大するものの、連邦準備制度理事会(FRB)は労働市場の逼迫(ひっぱく)を警戒。高インフレ抑制に向け、金融引き締めスタンスを強める構えだ。
 12月の失業率は3.9%と、前月から0.3ポイント低下。FRBの金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの長期予想(4.0%)も下回った。コロナ危機からの経済再開に伴う人手不足が続く中、賃金上昇率は前年比5%前後に達し、一段の物価高を招くと懸念される。
 5日公表された昨年12月のFOMC議事要旨では、一部の参加者が「既にほぼ雇用最大化の状況にある」と指摘していたことが分かった。雇用統計は、こうした見方を裏付けた格好だ。
 FOMCでは、想定より速いペースでの利上げだけでなく、FRBの総資産縮小も議論されたことが明らかになった。国債など資産購入を通じた量的金融緩和策により、FRBの総資産は8兆ドル超と、コロナ危機前の倍以上に膨張した。総資産の圧縮を進めれば、長期金利の上昇につながる可能性も指摘されている。
 一方、年末年始にかけて感染力の強いオミクロン株が猛威を振るっている。米疾病対策センター(CDC)によると、同国コロナ感染者数は年明け3日、1日当たり95万人となった。順調だった雇用回復が今後、鈍化する恐れも取り沙汰される。
 だがFOMCメンバーのブラード・セントルイス連邦準備銀行総裁は、オミクロン株が最初に見つかった南アフリカで、既に感染者数が減少したことを踏まえれば、オミクロン感染拡大は今後収まると予想。「金融政策はインフレ圧力との闘いにシフトした」と強調した。 (C)時事通信社