熊本市の慈恵病院で昨年12月、10代女性が病院にのみ身元を明かして出産する独自の「内密出産」を希望して出産したことに関し、同病院は13日、母親の欄を空白にしたまま出生届を出すことが法に抵触するかどうか確認を求める質問状を熊本地方法務局に提出した。
 同病院によると、女性は今後翻意して身元を打ち明ける可能性もあるが、病院側が代理で出生届を提出することになるケースを想定。母親の名前を書かずに提出した場合、刑法の公正証書原本不実記載罪に問われるかどうかなどを照会した。
 熊本市はこれまで、病院が母親の身元情報を知りながら、空欄や仮名で出生届を提出するのは同罪に当たる恐れがあり、「法令に抵触する可能性を否定することは困難」と指摘してきた。
 質問状によると、女性は「家族やパートナーに赤ちゃんの存在を知られたくない」との希望を変えていない。蓮田健院長は記者団の取材に応じ、「もし罪に問われることになると出生届を出せなくなってしまい、赤ちゃんの無戸籍状態につながりかねない」と話した。
 同病院は法務局に2月中の回答を希望した。今後、母親の意思を確認した上で、法に触れないという見解を得た場合、代理で提出する方針。 (C)時事通信社