【ベルリン時事】ドイツのショルツ政権は、新型コロナウイルスのワクチン接種を一般市民に義務付ける方針だ。ドイツでは1日当たりの感染者数が12日に8万人を超えて過去最多を記録しており、感染拡大阻止に全力を挙げる。ただ、義務化の範囲や人権への配慮など整理する課題の多さから導入は難航。連邦議会(下院)での法案承認は早くても3月と、今冬の流行には間に合わない見通しだ。
 ショルツ首相は12日、就任後初めて行った議会答弁で、ワクチンは個人だけのためでなく、他の「8000万人の市民」を守るためだと訴え、義務化の必要性を強調した。
 ドイツの全人口に対するワクチン接種完了率は約72%。欧州平均の69%は上回っているが、83%のポルトガルや、75%のスペインやフランスなど、他の西欧主要国よりは低い。政権は医療従事者らのみに導入が決まった接種義務を一般市民にも広げ、一人でも多く接種を受けさせたい考えだ。
 ただ、一部の反ワクチン過激派が政治家殺害を企てて拘束されるなど、反対運動も激化。哲学者や法律家らで構成し、政府に倫理面の助言を行う倫理委員会は昨年12月、義務化を支持する見解を示したが、24人の委員中4人は反対。残る20人も、13人が全成人の義務化に賛成したのに対し、7人は高齢者らにとどめるべきだとした。
 連立与党3党内でも、自由主義的主張の強い自由民主党(FDP)を中心に一部議員は義務化に反対している。このため、政権は野党も含めた超党派による法案提出を模索している。 (C)時事通信社