岸田文雄首相が17日召集の通常国会冒頭で行う初の施政方針演説の原案が13日、判明した。自身の看板政策「新しい資本主義」を国民に実感してもらうため、今年の春闘での賃上げ率向上に決意を表明。新型コロナウイルス対策で課題となった病床確保を担保する感染症法改正案の概要をはじめ、中長期的視点に立った感染症対策の改革案を6月をめどに取りまとめる方針を示す。
 首相は演説で、新しい資本主義を「経済再生の要」と位置付け、「今春、グランドデザインと実行計画を取りまとめる」と明言。「歴史的なスケールでの経済社会変革の動きが始まっている。新しい資本主義によって世界の動きを主導していく」と意欲を示す。
 その柱の一つとなる分配戦略では、春闘に向けて「近年、賃上げ率の低下傾向が続いているが、このトレンドを一気に反転させる」と強調。最低賃金の見直しを進め、全国加重平均1000円以上の早期達成を目指すと訴える。
 また、首相は「官民の人への投資を早期に少なくとも倍増し、その上を目指す」とし、「北欧などの先進事例から学び、公的職業訓練の在り方をゼロベースで見直す」とも約束。中国が加入を申請した環太平洋連携協定(TPP)に触れ、「高いレベルを維持しながらの拡大に取り組む」と妥協せずにルールを守る姿勢を明確にする。
 新型コロナの変異株「オミクロン株」への対応に関しては「特性を踏まえ、メリハリをつけた対策を講じていく」と表明。3回目のワクチン接種の前倒しに全力を挙げるとし、具体策として「自衛隊による大規模接種会場を設置し、自治体の取り組みを後押しする」と述べる。
 感染症対応にも言及し、「まずは迅速に薬事承認を行う仕組みを創設する」と説明。「6月を目途に司令塔機能の強化や感染症法の在り方、保健医療体制の確保など中長期的観点から必要な対応を取りまとめる」との方針を打ち出す。 (C)時事通信社