ノボ ノルディスクファーマは、BMI25以上の全国の男女9,400人(20〜75歳)対象に、「肥満」と「肥満症」に関する意識実態調査を実施。結果を1月12日に発表した。肥満を解消するために病院や医師を利用したことのある人は12%にとどまった。

肥満肥満症の違いを知っていた人は29.2%

 日本肥満学会『肥満症診療ガイドライン2016』では、肥満を脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態で、BMI 25以上と定義している。一方、肥満症肥満に関連して発症する健康障害を有し、医学的に減量が必要な状態と定義しており、BMI 25以上で肥満に起因ないし関連した減量を要する健康障害があるか、または内臓脂肪蓄積がある場合に肥満症と診断される。

 調査対象は、47都道府県におけるBMI 25以上の「肥満」または「肥満症」の疑いがある20〜75歳の男女各100人の9,400人。第三者調査会社を通じて該当者をランダムに抽出し、インターネットで回答を得た(調査期間2021年9月30日〜10月3日)。

 分析の結果、肥満肥満症の理解については、両者が違うことを知っている人は全体の29.2%、肥満症の定義を知っている人は「なんとなく」を含めても9.2%であった。都道府県別に見ると、認知度が高かったのは鹿児島県(38.5%)、福島県(38.0%)、宮城県(36.0%)で、低かったのは静岡県(20.0%)、栃木県(23.0%)、新潟県(23.5%)だった。

ダイエット経験者は84.9%、減量法は「間食やおやつを控える」が最多

 今までになんらかの減量やダイエットに取り組んだことがある人は全体の84.9%で、行ったことがある減量法は「間食やおやつを控える」(51.5%)が最も多く、「食事制限」(45.6%)、「食べ方に気をつける」(40.7%)が続き、「病院に行き、医師に相談する」は5.4%であった。

 減量が成功しなかった理由としては「ストレスが溜まった」(41.5%)が最も多く、「面倒になった」(41.0%)、「効果が実感できなかった」(39.9%)が続いた。

 一方、「肥満を解消するために病院に行ったり、医師に相談したりしたことがあるか」との質問に「ある」と答えた人は12.2%で、都道府県別では島根県(18.0%)が最も多く、鳥取県(16.0%)、鹿児島県(16.0%)が続いた。少なかったのは、青森県(8.0%)、沖縄県(8.5%)、新潟県、富山県、山梨県、愛媛県(各9.0%)であった。病院に行かない理由としては「肥満は自己責任だと思うから」(33.2%)、「相談するほどの肥満だと思っていないから」(28.1%)の他、「肥満のことを相談するのが恥ずかしいから」(12.6%)などが挙げられた。

コロナを契機に肥満を改善、維持できた人はわずか4%

 次に「肥満の人が新型コロナウイルスに感染すると重症化しやすいという説」に関する質問では、全体の75.9%が聞いたことがあると答えたが、この説を聞いて肥満の改善に取り組んだ人は20.8%、肥満を改善し維持できていた人は4.0%であった。都道府県別では、改善に挑戦した人が多かったのは群馬県(27.5%)、宮城県(26.0%)、栃木県(25.5%)で、少なかったのは秋田県(14.5%)、滋賀県(15.0%)、愛媛県(15.0%)だった。

 さらに、過去に太っていることが原因で他人からネガティブなことを言われた経験がある人は全体の47.6%で、その内容は「運動不足である」(49.3%)、「だらしがない、怠惰である」(38.8%)、「食生活や生活習慣が乱れている」(34.4%)、「自己責任である」(30.0%)などだった。

 調査結果を受け、日本肥満学会理事長の横手幸太郎氏(千葉大学大学院内分泌代謝・血液・老年内科学教授)は「今回の意識調査において、肥満症への理解の促進が依然として必要であることが浮き彫りになった。当学会は、肥満症に対する基礎的および臨床的研究のいっそうの充実を図るとともに、肥満肥満症に対する正しい理解の普及・啓発活動に、よりいっそう注力し、国民の健康増進に貢献したい」とコメントしている。

(芦澤直子)