政府は14日の経済財政諮問会議(議長・岸田文雄首相)で、国と地方の基礎的財政収支(PB)を2025年度に黒字化する再建目標を堅持する方針を確認した。ただ、目標達成には名目3%超の高い経済成長を実現する必要がある。新型コロナウイルス感染症が今後の経済活動に及ぼす影響も不透明な中、財政健全化実現に向けた道のりは険しい。
 PBは、社会保障や公共事業など政策経費を借金に頼らず、税収などの財源でどれだけ賄えているかを示す指標。内閣府の試算では、高い経済成長による税収増を見込むほか、社会保障費の抑制など従来と同様の歳出改革を続ければ、25年度黒字化は達成可能とされた。
 日本経済の名目成長率が3%を超えたのは1995年度以降では15年度の1度だけ。第一生命経済研究所の星野卓也主任エコノミストは、内閣府の試算について「成長率の見通しが楽観的な上、22年度以降の補正予算編成を考慮していないなど歳出の見通しも甘い」と指摘する。
 健全化目標は達成時期の先送りが続いてきた。政府は昨年の経済財政運営の基本指針「骨太の方針」の中で、25年度の黒字化目標について、コロナ禍の経済財政への影響を21年度中に検証し、「目標年度を再確認する」としていた。鈴木俊一財務相は14日、「財政健全化の旗を高く掲げ、それに向けて努力したい」と強調した。
 一方、自民党は昨年、党内に積極財政派が名を連ねる「財政政策検討本部」を新設。最高顧問には安倍晋三元首相が就任し、政府が今年半ばに閣議決定する「骨太の方針」に向けて、歳出拡大に向けた提言をまとめる見通しだ。今年夏には参院選も控えており、財務省幹部は「試算が改善したので、『もっと財政出動しろ』と風当たりが強まりそうだ」と頭を抱えている。 (C)時事通信社