【シドニー時事】オーストラリアの連邦裁判所は16日、男子テニスのノバク・ジョコビッチ選手(セルビア)が豪政府からビザを取り消されたことに不服を申し立てた問題で、政府の決定を支持する判断を示した。同選手は、第1シードだった17日開幕の全豪オープン出場を断念すると表明した。
 豪公共放送ABCによると、ジョコビッチ選手は「豪州にとどまって、全豪オープンに参加することはできない」との声明を出した。AFP通信は、国外退去が決まった同選手が16日夜にメルボルンの空港でドバイ行きの航空便に搭乗し、豪州を出国したと報じた。
 ジョコビッチ選手は、3年間にわたり豪州のビザを取得できなくなる見通し。裁判所は詳しい理由には触れず、ジョコビッチ選手の「請求を退ける」と言い渡した。
 豪州入国をめぐるビザ問題は二転三転した。5日夜にメルボルンの空港に到着したジョコビッチ選手は、外国人に義務付けられた新型コロナウイルスワクチンを接種しておらず、医学上の接種免除の対象でもないとして豪当局からビザを取り消された。10日にはこの決定を無効とする司法判断が示されたが、ホーク移民相は14日、職権で再び取り消した。
 政府側はオンライン形式で行われた16日の審理で、ジョコビッチ選手が豪国内にとどまれば「ワクチン反対の感情が促される」ため、社会不安につながるなどと主張。同選手側は、ビザ取り消しによってワクチン反対派の感情に与える影響も考慮すべきなどと訴えた。 (C)時事通信社