【北京時事】中国で17日、春節(旧正月)休暇をふるさとで過ごす人たちの特別輸送態勢「春運」が始まった。例年なら40日間に約30億人が移動するといわれる「民族大移動」の初日だが、北京市など多くの地方政府は新型コロナウイルス感染拡大防止のため「就地過年」(その場で年越し)を推奨しており、昨年に引き続き人の移動は控えめとなった。
 17日午前10時半、南部や西部への長距離列車の主要発着駅である北京西駅には、スーツケースやボストンバッグを抱えた人が続々と訪れた。ただ、例年に比べると人はまばらで、甘粛省に帰る建設作業員の60代男性は「今年は人が少ない。列車の切符も買いやすかった」と語った。
 娘と孫2人を連れて山西省の実家に向かう女性(59)は「北京ではコロナの影響で孫の遊ぶ場所が閉鎖されている。田舎ではもう少し遊べるはず」と話した。
 北京市政府は16日、前日に市内初のオミクロン株感染者を確認したことを受け、新たに北京到着後72時間以内のPCR検査を義務付けると発表した。来月4日には北京冬季五輪の開幕を控えており、感染拡大阻止に向け警戒を強めている。
 他の省でも移動自粛を呼び掛けているが、ネット上では「結局帰省できるのか」といった困惑の声が続出。これに対しコロナ対策の専門家である鍾南山氏は、十分な予防措置を取っていれば実家での年越しも可能と説明し、国家衛生健康委員会の担当者も、全国一律ではなく、各地の状況に応じて総合的に判断するよう呼び掛けた。
 交通運輸省は17日、今年の移動者数を延べ11億8000万人と予測。昨年比35.6%増だが、2020年比では20.3%減、コロナ流行前の19年と比べると60.4%の大幅減となる。 (C)時事通信社