【ロンドン時事】新型コロナウイルス対策による規制中に英首相官邸でパーティーが行われていた一連の疑惑をめぐり、ジョンソン首相の責任を問う声が高まっている。週末には、パンデミック(世界的大流行)の最中に官邸で定期的に飲み会が開かれていたとの新たな疑惑が浮上。この状況に閣内からも「理解を超える」と厳しい見方が出ており、首相は窮地に立たされている。
 新たな疑惑は大衆紙デーリー・ミラーが15日に報道。それによると、首相官邸では長年の伝統とされてきた週末の飲み会が、新型コロナの規制導入後も継続。毎週金曜日に職員約50人が集まり、ワインを飲んだりゲームに興じたりして親睦を深めていた。このイベントは「金曜日のワインタイム」と称され、ジョンソン首相も職員の「ストレス解消」のため奨励したとされる。
 米ウォーターゲート事件にちなみ「パーティーゲート」と呼ばれる一連の疑惑では、首相自身もロックダウン(都市封鎖)下の2020年5月に官邸庭で開かれたパーティーに参加していたことが判明。首相は先週、下院でこれを認めて謝罪したが、批判は収まるどころか激しくなる一方だ。
 BBC放送によれば、与党保守党議員らの元には選挙区民から抗議が殺到。ある議員は200通以上の批判メールを受け取り、首相支持の内容はわずか5通だったという。この議員は「次期総選挙時にジョンソン氏がリーダーでいると考える同僚は少ない。(政権は)末期状態だ」とこぼした。
 首相を擁護してきた閣僚らの間にも、困惑が広がっている。15日付のタイムズ紙によると、閣僚の一人は「首相は最後通告を突き付けられている。疑惑の暴露が続いて(5月の)地方選で打撃を被れば、党は(首相に対し)蜂起するだろう」と予測。別の閣僚も「首相は(官邸内を)完全に一掃する必要がある」と迫った。
 党の規定では、所属下院議員の15%(現在は54人)が要求した場合、党首(首相)の不信任投票が実施される。16日時点で不信任を求める考えを公表した議員は6人。ただ、不満を持つ議員は多いとされ、今後の展開次第では首相に反旗を翻す動きが活発化する可能性もある。 (C)時事通信社