【北京時事】中国は世界に先駆けて新型コロナウイルスの感染を抑制し、経済正常化を実現した。ただ、コロナを徹底的に封じ込める同国の「ゼロコロナ」政策は厳しい行動規制を伴うため、企業活動や消費に深刻な影響を与えており、景気の足かせになりかねないとの懸念が高まっている。
 中国では昨年夏以降、各地で断続的にコロナ感染が確認された。陝西省西安市は年末から事実上のロックダウン(都市封鎖)となり、市民生活に支障が出ている。今月には北京に隣接する天津市で感染が広がり、トヨタ自動車の現地合弁工場が操業停止に追い込まれた。
 米調査会社のユーラシア・グループは3日、今年最大のリスクに中国のゼロコロナ政策の失敗を挙げた。封鎖措置の強化を迫られ、供給網の混乱に拍車が掛かる恐れがあると警告する。
 ゼロコロナは消費の重しにもなっている。昨年12月の小売売上高は前年同月比1.7%増と、伸び率は1年4カ月ぶりの低水準だった。特に飲食業の打撃が著しく、2.2%減と2カ月連続でマイナスとなった。
 一方、中国の感染者数は西側諸国よりも少なく抑えられているとして、国内ではゼロコロナを評価する声も根強い。国家統計局の寧吉哲局長は17日の記者会見で、中国は「経済発展と感染対策で世界をリードしている」と胸を張った。
 共産党機関紙・人民日報系の環球時報も専門家の話として「中国のやり方は他国の先例になり得る」と強調、強気の姿勢を崩さない。5年に1度の共産党大会を今年秋に控え、習近平体制の優位性をアピールしたいとの思惑も見え隠れする。 (C)時事通信社