岸田文雄首相の施政方針演説に対する各党代表質問が19日、衆院本会議で始まった。首相は看板政策の「新しい資本主義」に関し、「賃上げに向けた環境整備を行うことで広く国民一人ひとりの所得引き上げに取り組む」と意欲を示した。国土交通省の統計書き換え問題については、政府統計全体の信頼回復に全力で取り組むよう関係閣僚に指示したと強調した。
 首相は賃上げ税制の拡充などに取り組んできたとした上で「子育て・若者世代に焦点を当て、世帯所得の引き上げに取り組む」と指摘。最低賃金に関し「できるだけ早期に全国加重平均1000円以上となるよう見直す」と述べた。立憲民主党の泉健太代表への答弁。
 統計書き換え問題については「大変遺憾だ」と重ねて陳謝。各府省の基幹統計の集約過程を点検し、再発防止などの改善策を取りまとめると説明した。国内総生産(GDP)推計への影響については「直接はない」と語った。自民党の梶山弘志幹事長代行、立民の小川淳也政調会長への答弁。
 新型コロナウイルスのワクチン接種については、泉氏が3回目接種のさらなる前倒しを要求。首相は高齢者への接種を加速した上で、現役世代にも「できるだけ多く前倒しを行っていく」と強調した。オミクロン株の感染拡大を踏まえた緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発令要件見直しは行わない考えも示した。
 米国のバイデン大統領と21日にテレビ会談を行うことに関し、首相は「核兵器のない世界に向け、共に取り組んでいくと確認したい」と表明し、北朝鮮による日本人拉致問題も取り上げる考えを示した。日米地位協定については、在日米軍基地周辺の感染拡大を踏まえた見直しを否定した。
 衆院小選挙区の「1票の格差」是正に向けた定数の「10増10減」については、「(衆院議員選挙区画定)審議会の勧告に基づく区割り改定法案を粛々と国会に提出する」と重ねて述べた。 (C)時事通信社