新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染拡大に伴い、保健所や医療機関がかつてないペースで急増する患者への対応に追われている。まん延防止等重点措置が適用される地域からは感染拡大防止に期待する声が上がる一方、「従来ほどの効果はないのでは」と懐疑的な見方も出た。
 他の地域より早く感染拡大が始まり、9日から重点措置が適用されている沖縄県。那覇市保健所では対応が追い付かず、同日以降は感染者が自ら濃厚接触者を特定して連絡する方式に切り替えた。
 同市の国吉真永健康部副部長は「第5波の時は1日当たり約200人だった新規感染者数が400人程度まで増えている。今は新たに陽性が判明した人への連絡で手いっぱい」と説明。「崩壊はしていないが、何とか踏ん張っている」と話した。
 東京都内にある保健所も那覇市と同様、感染者自ら濃厚接触者に連絡する方式に変更した。担当者は「感染者数が第5波のピーク時くらいまで増え、そうしないと対応できない」と話す。
 軽症の患者が多いものの、感染者の急増でホテルなどの宿泊施設に入るのも難しくなっているといい、「いろいろな方策で拡大を抑えるのが大事だ」と語った。
 埼玉県戸田市の公平病院では、年明けから発熱外来を受診する患者が急増。既に第5波のピーク時を超えたといい、公平誠院長は「(感染者数が)うなぎ登りなのを現場で体感している」と話す。病床使用率にはまだ余裕があるが、「高齢者が増えると入院が長引く可能性もある」と今後の拡大を危惧する。
 重点措置については「オミクロン株の感染力を考えると、従来ほどの効果はないかもしれない」との見方を示す。「経済、社会活動との両立も重要。自分や他人に感染させないためにも、個人レベルで可能な最大限の感染対策をした上で活動することが大事だ」と話した。 (C)時事通信社