【シドニー時事】火山噴火と津波に襲われた南太平洋の島国トンガに駐在する世界保健機関(WHO)職員の瀬戸屋雄太郎さん(47)は21日、時事通信の電話取材に応じ、農場が火山灰などで被害を受けたとして「食料が足りなくなる状況が生まれるかもしれない」と懸念を示した。外国支援の受け入れによる新型コロナウイルス流入への警戒感が高まっているとも明らかにした。
 トンガでは生活用水は主に雨水などを利用しており、政府は、火山灰に汚染された恐れがあるとして原則的にボトル入りの水を飲むよう勧めている。ただ、瀬戸屋さんによると、政府は水質調査の結果「大きな問題はない」として、火山灰が入っていない水は飲んでも構わないとの判断も示したという。農作物は海水の影響も懸念されている。
 トンガではコロナの感染者はこれまでわずか1人で、市中感染者は確認されていない。ワクチン接種を完了した人は約9割だが、外国の支援要員を受け入れれば新型コロナが流入する可能性がある。瀬戸屋さんは政府が「慎重に検討している」と明かし、「受け入れるとしても(隔離措置など)厳しい手続きを踏むだろう」と語った。政府は生活環境の悪化に伴い、チフスや赤痢など細菌による感染症にも警戒しているという。
 今回の災害でトンガの死者は現在、3人にとどまっている。瀬戸屋さんは「噴火から10分で津波が来たところもある」と説明。住民は普段から津波への心構えがあるといい、「津波が来たらどこに逃げるのかみんな分かっている」と語った。 (C)時事通信社