今月3度目の適用となったまん延防止等重点措置。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染急拡大を受け、対象地域は全都道府県の7割を超えた。検査キット不足や外来医療の逼迫(ひっぱく)が目立ち始めており、今後の対応次第では、「先手先手」を強調してきた岸田政権のコロナ対応への評価が一変する恐れもある。
 「若年層中心の急激な感染拡大が継続する場合、軽症・中等症の医療提供体制が急速に逼迫する可能性がある」。古賀篤厚生労働副大臣は25日の基本的対処方針分科会でこう述べ、重症化リスクの低い患者が受診なしで療養可能とする新たな方針に理解を求めた。
 新方針は、医療資源を重症化しやすい高齢者に優先的に回すべきだという専門家の提言を受けたもの。感染者の濃厚接触者に発熱などの症状があれば、医師が検査を行わずに感染の診断をできることも決めた。
 厚労省によると、1~18日の新規感染者のうち、20代以下が55.5%と半数を超え、若年層の占める割合は第5波が猛威を振るった昨年夏を上回る。一方、今後は高齢者への感染拡大が懸念され、医療資源を軽症者に回せば、高齢者ら重症化リスクの高い患者への医療が逼迫しかねない。
 政府が決めた重点措置の期間は27日から2月20日までの3週間余り。感染が収束に向かうのか、緊急事態宣言の適用などさらなる対応を迫られるのか、政府関係者は「今後2週間が分かれ目になる」とみる。
 一方、感染拡大の抑止に欠かせないのは、飲み薬の供給、3回目ワクチン接種の加速に加え、検査体制の充実だ。しかし、検査キットは薬局や医療機関で品薄が相次ぎ、民間の検査機関でも予約が取れない事態が生じている。
 岸田文雄首相は25日の衆院予算委員会で検査キットについて、約460万回の在庫がありメーカーに先週1日80万回分の増産を要請したと説明しつつ、「現実においては目詰まりが生じているケースがあるのは承知している」と認めた。
 これに対し、野党は「昨年から分かっていたのに、増産を要請したのが先週というのは遅過ぎる」(立憲民主党の山井和則氏)と厳しく追及。岸田政権のコロナ対応はこれまで「臨機応変に対応している」とおおむね肯定的な評価だったが、かじ取りが難しい局面を迎えた。 (C)時事通信社