政府が今国会に提出する経済安全保障推進法案で、半導体をはじめとする重要物資のサプライチェーン(供給網)に関する政府の調査への回答を企業に義務付ける方針を固めたことが26日、分かった。原料や部品などの調達先についての調査権限を政府に持たせ、応じない企業には罰則を科す案も検討している。包括的な調査により供給網の脆弱(ぜいじゃく)性を分析し、重要物資の安定調達や製造面の競争力強化を目指す。
 新型コロナウイルスの感染拡大後、国内ではマスクや医薬品、医療機器の不足が生じた。政府はこうした事態を教訓に調査で半導体や医薬品、先端電池など重要物資の流通経路を把握し、国際的な緊張や災害で調達困難になるリスクに備える。法案では重要物資の供給網整備を財政・金融支援する一方、重要物資に関わる企業に調達先などの報告義務を課す。
 政府関係者は「法制化により経済安保の視点で省庁横断的に供給網の脆弱性を確認できる」と主張している。一方、民間企業にとって先端製品の供給網に関する情報は事業戦略の要。政府は調査内容の情報管理を徹底し、政府側からの情報漏えいについても罰則を検討する。
 岸田文雄政権は経済安保の強化を重要政策に掲げ、2月下旬にも国会に推進法案を提出したい考え。法案は重要物資の供給網強化に加え、エネルギーや金融などの基幹インフラ機能の維持、官民技術協力、機微技術の特許非公開の4本の柱から成る。対象となる重要物資は関連政省令で定める見通しだ。 (C)時事通信社