【ワシントン時事】国際通貨基金(IMF)の世界経済研究部門責任者、マルハル・ナバル氏は、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」が経済に及ぼす影響について、「比較的短期」にとどまり、今年4~6月期以降に「極めて速やかに解消する」との見通しを示した。時事通信のインタビューで26日までに語った。
 ナバル氏は、オミクロン株の感染拡大の影響が「労働力不足や移動制限により、1~3月期の経済活動に打撃を与える」と指摘。ただ、デルタ株に比べて重症化しにくいとされる「現時点の知見」を踏まえれば、悪影響は「短期間となる公算が大きい」と予想した。
 一方で、「コロナの流行には不透明な部分が多い」とも強調。新たな変異株が今後出現し、厳しい行動制限を求められる可能性もゼロではないとして、安易な楽観を戒めた。
 コロナ禍からの景気回復が進む中、米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ圧力の高まりを受けて3月にも事実上のゼロ金利政策を解除する見込みだ。その後、年内に数回の利上げを行うシナリオが視野に入る。
 ナバル氏は、物価の高止まりがFRBの想定を超えて長期化し、急速な金融引き締めを余儀なくされるようなことがあれば、「新興国や開発途上国にリスクをもたらす可能性がある」と警戒。その上で、影響力が大きいFRBや欧州中央銀行(ECB)に対し、金融政策に関して「非常に明快な手法」でメッセージを発信するよう呼び掛け、経済の混乱回避へ細心の注意を求めた。 (C)時事通信社