【ワシントン時事】米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は26日開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、3月の次回会合で事実上のゼロ金利政策を解除する方針を決めた。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」感染拡大が続くが、インフレ高進を見過ごせず、金融引き締めを本格化させる構えだ。
 会合後の声明は、国債などの資産購入を通じた量的金融緩和策を「3月初めに終える」とし、「間もなく利上げが適切となる」と明言。3月半ばのFOMCでのゼロ金利解除へ「ドアを開いた」(米銀)形だ。
 FOMC参加者はまた、量的緩和で約9兆ドル(約1000兆円)に膨張したFRB総資産の縮小を「利上げプロセスに着手後、開始する」ことで一致。資産縮小は長期金利を押し上げるとみられ、コロナ危機対応の大規模な金融緩和から一転、引き締めへかじを切る姿勢が明示された。
 一方、オミクロン株流行で足元には不透明感が漂う。米国では今月、1日当たりのコロナ新規感染者数が一時100万人を超えた。パウエルFRB議長は記者会見で「感染急拡大が1~3月期の経済成長を圧迫する」と認めたものの、「速やかに収束すれば強い成長に戻る」と、強気の景気見通しを崩さなかった。
 米国の消費者物価指数(CPI)は2021年12月に前年同月比7.0%上昇し、1982年以来の高い伸びを記録した。こうした中、オミクロン株流行で、物価高要因となっている供給制約や人手不足に拍車が掛かる恐れが浮上。労働需給の逼迫(ひっぱく)で賃金も急上昇しており、パウエル氏は「インフレの上振れ圧力となるリスクに注意している」と警戒感をあらわにした。
 パウエル氏は22年のインフレ見通しについて「昨年12月以降、若干悪化した」と語った。FRBは12月時点で22年に3回の利上げを想定していたが、高まるインフレ圧力を背景に、市場では4回利上げを織り込みつつあるほか、5回を予想する向きも増えている。 (C)時事通信社