フラボノイド摂取量が多いパーキンソン病(PD)患者は、少ない患者に比べ生存率が高いことが分かった。米・Pennsylvania State UniversityのXinyuan Zhang氏らは、PD患者のフラボノイド摂取と死亡リスクの関係を検討した結果をNeurology2022年1月26日オンライン版)に報告。「フラボノイドを多く含有する食品を摂取することで、PD患者の平均余命が延長する可能性がある」と指摘した。(関連記事「フラボノール摂取で認知症リスクが低下」)

摂取量多い群で生存率が70%高い

 フラボノイドには神経保護作用があるが、PD患者での生存率の改善における役割についてはエビデンスがなかった。Zhang氏らは今回、米国の大規模なコホート研究の登録者を対象に、PD診断前後のフラボノイド摂取量と死亡リスクの関係について前向きに検討した。

 対象は、Nurses' Health Studyに登録され新規にPDと診断された女性599例とHealth Professionals Follow-up Studyに登録され新規にPDと診断された男性652例、計1,251例(平均年齢72歳)。総フラボノイドおよびフラボノイドサブクラスの摂取量、フラボノイド含有量の多い食品(紅茶、リンゴ、ベリー、オレンジ/オレンジジュース、赤ワイン)の摂取量を4年毎に食物摂取頻度調査票を用いて評価した。死亡率はNational Death Indexと州の人口動態統計から確定した。

 平均33年(範囲32~34年)の追跡期間中に944例(75%)が死亡した。死因は、PDが513例、心血管疾患が112例、がんが69例だった。

 フラボノイドの摂取量は上位25%の平均が673mg/日、下位25%の平均が134mg/日だった。100g当たりのフラボノイド含有量はイチゴで180mg、リンゴで113mgとなっている。

 年齢、喫煙状況、総摂取カロリーなどの交絡因子を調整後、フラボノイド摂取量下位25%群に対して上位25%群では生存率が70%高かった〔pooledハザード比(HR)0.70、95%CI 0.40~1.22、傾向性のP=0.25〕。

ベリーや赤ワインなどの摂取を推奨

 PD診断前の総フラボノイド摂取量下位25%群に比べ上位25%群では男性で全死亡リスクが有意に低かったが(HR 0.53、95%CI 0.39~0.71、傾向性のP<0.001)、女性では有意な関連は認められなかった(同0.93、0.68~1.28、傾向性のP=0.69)。しかし、PD診断後には、男女ともにフラボノイド摂取量の多い群で少ない群に比べて生存率が高かった。

 PD診断後に死亡したのは、フラボノイド摂取量上位25%群では男性163例中120例、女性150例中96例だったのに対し、下位25%群では男性163例中139例、女性149例中96例だった。

 フラボノイドサブクラス別に見ると、PD診断前のアントシアニン(赤ワイン、ベリーに多く含有)、フラボン(セロリ、カモミール、シソに多く含有)、フラバン-3-オール(リンゴ、紅茶、ワインに多く含有)摂取量が下位25%群に比べ上位25%群では、生存率がそれぞれ66%、78%、69%高かった(全てP<0.05)。

 また、ベリーと赤ワインの摂取量が1カ月1サービング未満の群に対して、摂取量が1週間3サービング以上の群では生存率がそれぞれ77%(pooled HR 0.77、95%CI 0.58~1.02)と68%(同0.68、0.68~0.91)高かった。

 PD診断後の総フラボノイド、フラボノール、アントシアニン、フラバン-3-オール、フラボノイド重合体、ベリー、赤ワインの摂取量が多い群は、少ない群に比べ死亡リスクが有意に低かった(全てP<0.05)。

 以上から、Zhang氏らは「PD患者ではフラボノイド、特にアントシアニン、フラバン-3-オール、ベリーや赤ワインの摂取量が多い群が死亡リスクの低下と関連していた。通常の食事にフラボノイドを多く含む食品、特にアントシアニンを多く含むベリーや赤ワインを追加することで、PD患者の平均余命が延長する可能性がある」と述べた。「ただし、ワインはDietary Guidelines for Americansの推奨量(女性1日1杯、男性1日2杯)以上を摂取しないようにするべきだ」と注意喚起した。

(大江 円)