新型コロナウイルスの感染拡大で急激に需要が高まる抗原検査キットについて、厚生労働省は28日までに、医療機関への供給を最優先すると決め、卸業者らに要請した。薬局での一般販売分は供給が抑えられるため、品薄の状況が続く見通し。
 供給が最も優先されるのは、有症状者を検査する医療機関向け。その次は、感染が疑われる人が受ける行政検査とした。外来診療の逼迫(ひっぱく)を避けるため、重症化リスクが低い人に自ら検査キットで感染の有無を確認してから受診するよう呼び掛けることができるが、この場合の検査も行政分に含まれる。
 3番目は、濃厚接触者とされたエッセンシャルワーカーが使用する検査キット。医療関係者や保育士など社会機能の維持に関わる人は、接触から4、5日目の計2回の検査で陰性と判明すれば出勤できる。
 無症状だが不安がある人向けの無料検査は、優先度を下げた。厚労省は「現状の検査体制を続けられるよう努める」とするが、医療機関向けなどを確保した上での供給となる。一般薬局で販売される検査キットは最も優先順位が低く、数週間は品薄が想定される。
 後藤茂之厚労相は「症状が出た場合に確実に検査を受けられるようにするための措置。理解してほしい」と訴えた。
 メーカーは460万回分の検査キットを確保しているが、医療機関などで不足が続き、在庫を取り崩して対応している。政府は買い取り保証をした上で、1日80万回分まで増産、輸入するよう要請している。 (C)時事通信社