【ワシントン時事】新型コロナウイルス感染を厳しい行動制限などで徹底的に封じ込む中国の「ゼロコロナ」政策に対し、米連邦準備制度理事会(FRB)高官が懸念を強めている。中国の工場閉鎖や物流停滞が世界的な供給制約に拍車を掛け、米国の物価高が長期化する恐れがあるためだ。
 「中国のオミクロン株対応に多くの懸念がある」。FRBの金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)のメンバーでもあるミネアポリス連邦準備銀行のカシュカリ総裁は28日、メディアのインタビューで明言した。
 変異株のオミクロン株は感染力が強く、中国当局がゼロコロナを堅持するなら、封鎖措置の増加は必至。カシュカリ氏は「米国の供給網や世界経済に影響を与えかねない」と警告した。
 パウエルFRB議長も26日の記者会見で中国のコロナ対策が「供給網に一層の問題をもたらす可能性がある」と警戒した。
 28日発表された昨年12月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比5.8%上昇と、約39年半ぶりの高い伸び率となった。FRBは今年3月に事実上のゼロ金利政策を解除し、金融引き締めによりインフレ圧力の緩和を図る方針だが、「FRBの政策手段では供給制約を緩和できない」(パウエル氏)だけに、中国の対応に神経をとがらせているようだ。
 国際通貨基金(IMF)も「経済に劇的な打撃を与えずにオミクロン株を抑制するのは難しい」(ゲオルギエワ専務理事)とし、中国にゼロコロナ緩和を促している。 (C)時事通信社