新型コロナウイルスの感染急拡大で抗原検査キットの需要が高まり、全国で品薄となっている。感染の有無を「今知りたい」と民間の検査センターに駆け付ける人の姿も。厚生労働省は医療機関への供給を最優先とするよう卸業者らに要請しており、品薄状態は当面続きそうだ。
 複数の大手ドラッグストアによると、すぐに判定結果が確認できる検査キットが売れており、一部店舗で欠品となっている。サンドラッグ(東京都府中市)広報は「先週くらいから品薄になり始めた」と説明。別のドラッグストア広報も「もう入荷をじっと待つしかない」と冷静に話す。
 東京・JR新橋駅周辺では28日、「欠品中」「入荷しました」と検査キットの在庫の有無を知らせる張り紙が目立った。駅近くにある薬局の男性従業員(30)は「次の入荷は未定だ」と語る。在庫が残っていた薬局の従業員は「入荷しても1~2時間でなくなる」と明かす。
 出勤前に検査キット2個を購入した契約社員の女性(59)=大田区=は「病院を受診しない『自主療養』に備えた」と、ほっとした様子だった。
 民間の検査センターにも人が殺到している。JR池袋駅近くの検査センターを訪れた大学3年の女子学生(20)=豊島区=は「ゼミで大学に行く前に念のため来た。今感染しているかどうかを知りたい」と話した。
 運営会社によると、この検査センターには24日以降、毎日約200人が訪れる。以前はワクチン接種後に抗体量を調べる高齢者の割合が高かったが、広報担当者は「今回の『第6波』ではワクチンの効果よりも感染の有無に関心が高く、働く若い世代が多い」と説明した。 (C)時事通信社