「ウイルスに感染した」と偽の警告をパソコンに表示させ、セキュリティー対策名目で金をだまし取る「サポート詐欺」。2016年ごろから被害が増え始め、警視庁サイバー犯罪対策課はフィリピンに拠点を置く詐欺グループの3人を逮捕した。サポート詐欺をめぐる摘発は全国初という。
 国民生活センターによると、サポート詐欺の相談は16年度に約5200件寄せられ、突如、前年の約5倍に急増。17年度以降も高齢者を中心に3000~6000件と高止まりが続く。
 「パソコンがウイルスに感染しました」。同課によると、東京都内の女性(当時50代)が19年5月、自宅のパソコンで旅行予約サイトを見ていると突然、警告が表れた。「5分以内に電話をください。マイクロソフトのエンジニアがサポートします」と自動音声が流れ、焦った女性は表示された番号に電話。片言の日本語を話す男性が対応し、女性に遠隔操作ソフトをダウンロードさせた。
 捜査関係者は「ソフト自体は有害ではない。信じ込ませるための作業だ」と指摘。女性は勧められるまま年中無休の電話相談などが付いたサポートプラン契約を結び、クレジットカードで約3万円を支払った。
 同課は今月17日、詐欺容疑でフィリピン国籍の女2人と少年(当時)を逮捕した。同国には詐取金の一部が送金されていたほか、偽の警告を見た人に対応するコールセンターも置かれるなどしており、同課はグループが現地から日本を狙っているとみている。
 サポート詐欺の手口は巧妙だ。うその警告は無作為に広告を自動表示する機能を悪用したとみられ、不特定多数を標的にしていた。警告画面は「閉じる」のマークが見えにくく、ボタンを押しても警告が消えないように設定されている。
 国民生活センターによると、昨年ごろからは、不正が発覚しにくいようにプリペイドカード式の電子マネーを購入させ、サポート契約を結ばせ金を支払わせる手口も目立ち始めた。「表示された番号には電話せず、ブラウザー自体を閉じ、パソコンを再起動させてほしい」と注意を呼び掛けている。 (C)時事通信社