厚生労働省は1月27日に「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 第6.2版」を改訂し、中等症・重症のCOVID-19患者に使用されている抗ウイルス薬レムデシビルについて重症化因子を有する軽症患者への使用も可能とした。今回の改訂は、海外で実施された臨床試験の結果を踏まえたもので、重症化リスクを有する軽症・中等症のCOVID-19患者にレムデシビルを投与した結果、プラセボ投与群に対し入院・死亡リスクを9割近く低下させた。

 手引きでは、COVID-19に対する主な薬物治療として、①抗ウイルス薬(レムデシビル、モルヌピラビル)、②抗体医薬(カシリビマブ/イムデビマブ、ソトロビマブ)、②免疫調整薬・免疫抑制薬(デキサメタゾン、バリシチニブ、トシリズマブ)ーなどについて記載している。軽症例に対してはモルヌピラビル、ソトロビマブが使用されているが、今回新たにレムデシビル(適応外使用)が追加された。

 レムデシビルに関しては、海外で実施されたプラセボ対照ランダム化比較試験(PINETREE)において、発症から7日以内の重症化リスクがある酸素投与を要さない非入院COVID-19患者(目標症例数1,264例)をレムデシビル(1日目に200mg、2日目、3日目に100mg)またはプラセボを静脈内投与する群に1:1でランダムに割り付けた。解析の結果、主要評価項目である28日目までの入院または死亡の割合は、プラセボ群の5.3%(15/283例)に対しレムデシビル群(2/279例)では0.7%と、87%の有意な低下が見られた(P=0.008)。この結果から、同薬はCOVID-19入院患者だけでなく、感染初期の患者にも効果を有することが示され、今回の改訂に至った。

(小沼紀子)