非心原性脳梗塞患者の再発予防として、発症後早期から亜急性期にかけては主にアスピリン+クロピドグレルを用いた抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)が推奨されるが、長期的には単剤療法と比べて重篤な出血性合併症が増加することが指摘されている(Stroke 2019; 50: 947-953)。一方、アスピリンまたはクロピドグレルとシロスタゾールの併用は、それぞれの単剤投与に比べ重篤な出血性合併症を増加させることなく脳梗塞再発を有意に抑制することが、日本の292施設を対象とした多施設非盲検ランダム化比較試験CSPS.comで示されている(Lancet Neurol 2019; 18: 539-548)。では、シロスタゾール併用によるDAPTはどの時期から開始するのが有効だろうか。国立循環器病研究センター病院副院長の豊田一則氏らCSPS.com試験研究グループは、非心原性脳梗塞発症から3〜4週目にシロスタゾールを含むDAPTに切り替えるのが有効であるとNeurology (2022年1月24日オンライン版)に報告した。

投与開始8〜14日、15〜28日、29〜180日の3群で検討

 CSPS.com試験では、非心原性脳梗塞発症から8〜180日以内の脳梗塞再発高リスク患者1,879例をアスピリン(81mg/日または100mg/日)またはクロピドグレル(50mg/日または75mg/日)の単剤投与群と、それぞれにシロスタゾール(100mg1日2回)を併用する群にランダムに割り付け、脳梗塞の再発や重篤な出血の発生率を検討。併用群において有効性および安全性が高いことが示された。

 そこで豊田氏らは、シロスタゾールを含むDAPTをどの時期に開始するのが適切かを検討すべく、同試験の対象を投薬開始時期によって脳梗塞発症から8〜14日の498例、15〜28日の467例、29〜180日の914例の3群に分け、単剤投与とシロスタゾール併用における脳梗塞の再発および重度・致死的な出血の発生を比較する事後解析を行った。

急性期から慢性期の切れ目ないDAPTが可能に

 検討の結果、脳梗塞の再発は15〜28日群(100人・年当たり併用例1.5 vs. 単剤例4.9、調整ハザード比0.34、95%CI 0.12〜0.95、P=0.040)と29〜180日群(同1.9 vs. 4.4、0.27、0.12〜0.63、P=0.002)でシロスタゾール併用による有意な抑制が示された。一方、8〜14日群では有意差が認められなかった。また、重度・致死的な出血については、いずれの群においても単剤例と併用例で有意差は認められなかった。

 以上から、豊田氏らは「急性期から慢性期へのDAPTについて、脳梗塞発症早期にアスピリンとクロピドグレルの併用療法を開始し、3〜4週目にシロスタゾールを含めた併用に切り替えることで、脳梗塞急性期から慢性期の切れ目ないDAPTを有効かつ安全に継続できると示唆された」と述べている。

※頸部または頭蓋内動脈に50%以上の狭窄、あるいは2つ以上の動脈硬化危険因子を有すると定義

長谷川愛子