【シドニー時事】オーストラリア、ニュージーランド(NZ)のオセアニア2カ国で、首相が支持率急落で苦境に立たされている。両国とも新型コロナウイルスの流行当初は対策に成功したが、変異株流入で感染が再び拡大し、国民の不満が広がった。中でも5月までに総選挙が行われる豪州では、モリソン首相の続投に黄色信号がともっている。
 1月31日付のオーストラリアン紙に掲載された最新の世論調査によれば、首相の実績評価は「満足」が「不満」を下回り、その差は19ポイントに広がった。与党勢力・保守連合の支持率も34%と約3年半ぶりの低水準で、最大野党・労働党の41%から大きく離された。
 豪州では最近、変異株「オミクロン株」の感染急増で抗原検査キットが不足。水際対策の長期化で、海外に依存していた労働力の不足も顕在化している。スーパーでは品薄が目立ち、ガソリンをはじめとする物価上昇も相まって市民生活を直撃している。
 NZでは、1月27日に公表された世論調査でアーダーン首相の支持率は35%と、2017年の就任後で最低の水準に落ち込んだ。NZ政府はオミクロン株の感染拡大を阻止するため、同月23日に対策を強化。アーダーン氏は予定していた自身の結婚式を取りやめた。
 豪シドニー大のピーター・チェン上級講師(政治)は豪、NZの状況を「政権はオミクロン株の市中感染食い止めに重点を置いていたが、政策が破綻し始め、罰を受けている」と分析する。豪州に関し、保守連合は支持率が現在より低い33%だった18年8月から巻き返し、19年5月の総選挙に勝利したが、今回は選挙まで4カ月を切っていると指摘。「(劣勢挽回に)十分な時間があるかどうかだ」と語った。 (C)時事通信社