日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は昨日(2月1日)、近年"下アゴ整顔術"と称される施術により完全失聴や加齢性難聴が改善するとのインターネット広告が散見されることを問題視し、「整顔術による難聴の改善は期待できない」との声明を発表した。同学会では、このような広告に惑わされることのないよう学会員に呼びかけている。

加齢により下顎が下垂するとの医学的根拠はなし

 同学会によると、"下アゴ整顔術"に関する広告では、加齢が原因で下垂する下顎を矯正することで中耳にある鼓膜張筋などの状態を良好にし、耳管機能を回復。難聴が改善すると説明しているが、「そのような事実はない」と明言。

 声明において、「そもそも加齢により下顎が下垂するという医学的な根拠はなく、下顎の位置と鼓膜張筋などの状態に関連性はない」と指摘。「完全失聴や加齢性難聴の大部分は、内耳の蝸牛にあり音を感じる有毛細胞や聴神経の障害によるもの(感音難聴)で、整顔術でこれらの障害が改善することは考えられない」としている。

 なお、加齢による耳管機能の障害により生じた難聴に対しては、薬物療法、耳管通気治療、鼓膜切開術、鼓膜換気チューブ挿入術などの適切な治療を保険診療で行えるしている。

(陶山慎晃)