東京都は3日、新型コロナウイルスの危機管理対策会議を開き、緊急事態宣言の発出要請を検討する新たな基準を決めた。変異株「オミクロン株」に対応するため、重症病床使用率などと1週間平均の新規感染者数を基に、医療逼迫(ひっぱく)度と社会経済活動への影響を総合的に判断する。席上、小池百合子知事は「オミクロン株の特性を踏まえた対策をさらに強化し、何としても感染拡大を食い止める」と述べた。
 新たな基準は(1)重症病床使用率(2日時点で15.1%)か、酸素投与が必要な入院患者の割合(同8.0%)のどちらかが3~4割(2)1週間平均の新規感染者数が2万4000人―の二つ。感染が収束傾向になく、(1)(2)の両方を満たした場合、政府に宣言を要請するとした。実態に即して基準を見直すことで、直ちに宣言を要請する状況ではなくなったが、医療現場は厳しさを増している。
 重症病床使用率は、これまで都が定義していた人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO)を使用する陽性者に加え、コロナ以外の疾患で集中治療室(ICU)を使用する陽性者なども含める。1週間平均で2万4000人が感染すると、都内就業人口の約1割が欠勤を余儀なくされる恐れがあり、社会経済活動に影響を及ぼすと判断した。
 3日時点の都内全体の病床使用率は53.1%。都が従来、要請の目安としていた50%を上回った。ただ、「コロナによる肺炎自体は重症化率が低い」(都医師会の猪口正孝副会長)というオミクロン株の特性を踏まえ、新基準を検討することにした。
 また、高齢者施設での感染増加を受け、医師の往診体制や施設職員の派遣支援を強化。都立学校では来週から分散登校とオンラインを組み合わせた「ハイブリッド授業」を始める。検査キットの不足に対応するため、無症状の濃厚接触者には、都がキットを無料配布する。
 ◇医療体制、最も深刻に
 これに先立ち開いたモニタリング会議では、4段階で示す医療提供体制の警戒レベルを1段階引き上げ、約4カ月ぶりに最も深刻な「逼迫(ひっぱく)している」とした。現在のペースで感染が拡大した場合、1週間後には1日当たりの新規感染者数が2万4756人に上るとの推計も示された。 (C)時事通信社