熊本市の慈恵病院は4日、記者会見を開き、昨年12月に10代女性が病院の担当者だけに身元を明かして出産する「内密出産」を希望して出産したことに関し、母親の名前を記さずに出生届を提出する方針を明らかにした。退院後1カ月たっても変わらない女性の意向を踏まえた対応で、国内初の事例とみられる。
 同病院によると、女性は家族に妊娠を伝えられない状況で、「自分では育てられない」として退院。その後も担当者がメールなどでやりとりを続けていたが、女性は「自分が育てるよりも、厳しい審査を通った両親が育てる方が、赤ちゃんが幸せになる」とした上で「特別養子縁組でお願いしたい」との希望を変えなかったという。母の個人情報を子どもに開示する時期は、18歳か20歳を希望している。
 蓮田健院長は「内密出産の第1例になると思われるが、これからシステムを構築しなければならない。改めて病院の覚悟が問われる」と話した。赤ちゃんは今月、同病院から乳児院に移されている。 (C)時事通信社