北海道大と東京大、大阪大、塩野義製薬の研究チームは5日までに、昨年夏に東京五輪・パラリンピック選手村で下水を採取し、新型コロナウイルスのリボ核酸(RNA)が含まれていないか調査した結果を論文にまとめて発表した。毎日の臨床検査で陽性者の報告がないエリアの下水からもRNAを検出する例が多くあり、無症状感染者や感染から時間が経過した人が排出したRNAも検出したと考えられる。
 調査結果は下水採取の翌日までに大会組織委員会に報告された。研究チームは、この「下水疫学調査」は空港で入国者に行われる唾液抗原検査を補ったり、多くの人が集まるイベントで検査態勢をどの程度強化すればよいのか判断したりするのに使えると指摘。変異株の網羅的な把握にも活用できると説明している。論文は米医学誌「ジャーナル・オブ・トラベル・メディシン」電子版に掲載された。
 調査は昨年7月14日から9月8日まで毎日、選手村の7エリアを対象にマンホールから下水を採取。分析できた690検体の33.8%からウイルスのRNAを検出した。 (C)時事通信社