【シドニー時事】南太平洋トンガ出身のラグビー元日本代表選手で、オーストラリア最大都市シドニーに住むホポイ・タイオネさん(64)が時事通信社とのインタビューに応じ、海底火山噴火に続く新型コロナウイルス禍で母国は「ダブルパンチ」を受けたと語った。しかし、トンガ国民の「助け合い」の精神で今回の危機を乗り越えられると強調した。
 タイオネさんは1月15日、本島のトンガタプ島に住む親戚と電話で話しているさなか「バン」と耳を突き破るような噴火の音を聞いた。4日間は連絡が取れず「海の近くに住んでいたから心配していた」と当時を振り返った。電話が復旧して無事を確認。「家の手前で津波が止まった」ため、親戚は大きな被害には遭わなかったという。
 しかし、続いてトンガ初のコロナ市中感染が確認され、感染防止のために2日からは全土でロックダウン(都市封鎖)が導入された。タイオネさんは「慣れていない。不安は間違いない」と表情を曇らせた。
 タイオネさんは「お互いを助け合うのがトンガの文化だ」と説明する。災害で全ての家屋が破壊された離島があり、火山灰による農業への影響も懸念されるなど復興に向けて課題も多いが「国の立て直しに助け合いが役に立つ」と力を込めた。
 災害後には、元日本代表のラトゥウィリアム志南利さんら昔のラグビー仲間や後輩と連絡を取った。タイオネさんの助言を受けて「(後輩らが)災害のチャリティーをやっている」と話した。目立つ輸出品に乏しいトンガでは、ラグビー選手らが海外で稼ぐ外貨も国を支えている。復興に向け「ラグビーの力は必要になる」とも語った。
 タイオネさんは日本留学中の1984年に外国人としてラグビー日本代表に初めて選出され、日本ラグビー界の外国人選手で草分け的な存在として知られている。 (C)時事通信社