【ワシントン時事】米労働省が4日発表した1月の雇用統計で、景気動向を反映する非農業部門の就業者数が季節調整済みで前月比46万7000人増と、市場予想の3倍の伸びを示した。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」感染急拡大にもかかわらず堅調を維持する労働市場は、連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めを後押ししそうだ。
 「米国の雇用マシンは、かつてないほど強い」。バイデン大統領は雇用統計を受けてホワイトハウスで演説し、国内経済の好調をアピールした。
 雇用統計では、昨年11、12月の就業者の増加幅も従来の発表から合計で約71万人引き上げられた。発表前は「オミクロン株の影響で統計は良くない」(FRB高官)との見方が大勢だっただけに、「ショッキング」(米投資銀)な数字となった。
 一方、米国では経済活動の再開に伴い、人手不足が続く。コロナ拡大も不足に拍車を掛けており、「小売りや食品サービス業での一時解雇は、これまでの傾向よりもはるかに少なかった」(米エコノミスト)との見方が出ている。
 人手不足は賃金の急上昇を招いている。1月の平均時給は前年同月比5.7%上昇と、伸びが前月(4.9%)から加速した。パウエルFRB議長は「持続的な賃金上昇でインフレ圧力が一段と強まるリスクを注視している」と、賃金と物価の連鎖的な上昇に警戒感をあらわにする。
 米国のインフレ率が約40年ぶりの高水準を記録する中、FRBは3月半ばの金融政策会合で、事実上のゼロ金利政策を解除し、利上げに踏み切る方針だ。雇用統計発表後には、金利先物市場の動きから算出された「3月に0.50%の大幅利上げが行われる確率」が約30%と、前日の倍に跳ね上がった。 (C)時事通信社