視覚障害者の生計を保護するため、健常者向けあん摩マッサージ指圧師養成学校の新設を制限した法律が、憲法の保障する「職業選択の自由」に違反するかが争われた3件の訴訟の判決が7日、最高裁第2小法廷であった。菅野博之裁判長は規定を「合憲」と判断し、原告側の上告を棄却。合憲とする判断が確定した。4人の裁判官全員一致の結論。
 法律は「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」。1964年の法改正で、国は当分の間、健常者向けの養成学校新設を制限できると定めた。
 小法廷は、視覚障害者は従事可能な職が限られ、相当程度がマッサージ業に就いていると指摘。「障害にも適する職に就く機会を保障することは、自立を促進する積極的意義を有する」として、規定は不合理ではないと述べた。
 その上で、健常者向けの既存の学校もあることなどから制限は限定的とし、合憲と結論付けた。
 原告の学校法人平成医療学園(大阪市)などは2016年、新設を国に認められず、処分取り消しを求め提訴。東京、大阪、仙台の各地、高裁は合憲とし、請求を棄却していた。
 日本視覚障害者団体連合の竹下義樹会長(70)は判決を受けて記者会見し、「自由に職を選択できる環境は現在もない。視覚障害者の職業的自立のために規定が必要だと明言され、安堵(あんど)している」と話した。 (C)時事通信社