新型コロナウイルスワクチンの3回目接種をめぐり、自民党の河野太郎広報本部長が政府への注文を強めている。菅内閣でワクチン担当を務め、1、2回目接種を加速させたとの自負があり、接種のペースアップに手間取る岸田内閣に歯がゆさを感じているようだ。
 「120万回じゃないのか」。河野氏は7日、岸田文雄首相が1日100万回の接種目標を表明したと聞くと、関係者にこう不満を漏らした。
 水面下では河野氏が政府のやり方に口を挟む場面が増えている。首相官邸には「自分たちと同じようにやればいい」「早く接種券を配るべきだ」などと助言。関係者は「接種停滞を目の当たりにし、一時失っていた本人のワクチンへの関心が戻ってきた」と語る。
 表立った発信も目立つようになった。3回目接種の有効性をアピールするため、堀内詔子ワクチン担当相との対話動画に出演してほしいと官邸から依頼されると、河野氏は快諾。ツイッターでは堀内氏を支えるワクチンチームの体制を「人数が激減。私のときは大臣室の隣にいたけれど、今は隣の建物の地下」と批判した。官邸はこれを踏まえ、堀内氏のスタッフ体制を改善する方針だ。
 もっとも、河野氏の在任中も全てがうまく運んだわけではない。職域接種ではワクチン不足に陥り、企業からの応募を急きょ停止する失態を演じたこともあった。官邸からは「菅政権時代の混乱のトラウマが今も接種が進まない原因の一つなのに…」(幹部)との恨み節も漏れる。 (C)時事通信社