【ニューヨーク時事】カナダで新型コロナウイルスのワクチン接種義務化に反対するトラック運転手らが始めた抗議活動が長期化し、全土に混乱が広がっている。首都オタワだけでなく、米国とつながる橋も一部封鎖されるなど、経済活動への深刻な影響が懸念され始めた。
 北米で最も交通量が多い国境の橋、東部オンタリオ州ウィンザーと米中西部ミシガン州デトロイトを結ぶアンバサダーブリッジでは、7日からデモ参加者が通行を遮断。地元メディアなどによると、8日になってもカナダへの入国ができない状態だという。この橋は、普段であれば1日4万人以上と3億2300万ドル(約370億円)相当の貨物が往来する。
 他にも主要な国境の拠点でデモが起きており、アルガブラ運輸相は8日、公共放送CBCに「サプライチェーン(供給網)などに重大な影響を及ぼす」と懸念を表明。米加両国の複数の経済団体も共同声明を出し、当局に早急な通行再開を実現するよう訴えた。
 抗議活動は、1月に米国とカナダを行き来するトラック運転手を対象にワクチン接種が義務付けられたことが発端。オタワ中心部にトラックが集結し、一部施設が閉鎖に追い込まれた。次第にトルドー政権のコロナ対策全般に反対するデモに発展し、10日以上が経過した8日も、依然として500台ほどが残っているもようだ。
 一方で、新型コロナの変異株「オミクロン株」による感染拡大のピークが過ぎたとして、東部ケベックや西部アルバータなど複数の州が8日、コロナ規制の緩和を発表した。ただ、トルドー首相は「ワクチンが経済と命を救う最善策だ」との姿勢を崩しておらず、抗議活動が収束するかは不透明な状況だ。 (C)時事通信社