トヨタ自動車は2021年4~12月期連結決算で、4~6月期と9月中間期に続き過去最高の収益を稼ぎ出した。ただ、足元では原材料高が深刻な上、新型コロナウイルス感染再拡大や半導体などの部品不足で計画通りに車を造れず、販売台数が急減。通期の業績予想で売上高の下方修正を強いられた。眼前に広がる霧は依然晴れないままだ。
 4~12月期の決算で、利益が膨らんだ大きな要因は円安だ。円相場は1ドル=111円と前年同期比5円安く、営業利益を4450億円押し上げた。新車市場が回復し、利幅が大きいスポーツ用多目的車(SUV)が伸びたことなども寄与した。
 だが、事業環境は決して楽観できる情勢ではない。鋼材などの価格高騰で目減りした営業利益は3650億円。通期では6300億円もの減益要因となる見込みで、トヨタは「過去に例のないレベル。少し桁違いの状況になっている」としている。
 販売面の変調も目立つ。9カ月累計のグループ世界販売台数は前年同期比8.0%増だったが、直近3カ月間(10~12月期)に絞れば11.4%減。生産が滞り、顧客への納期が長引いているためだ。この結果、10~12月期は減収減益となった。
 東南アジアでコロナ感染が広がった昨年夏以降、トヨタは部品調達難に見舞われ、工場の稼働停止を繰り返してきた。挽回生産を始めたのは昨年11月だが、稼働はまだ不安定。今年1月には自社や仕入れ先で感染者が続出し、大規模減産に追い込まれた。
 系列部品メーカーからも「かなり高水準の生産計画をもらっているが、実現は難しい」(トヨタ紡織の伊藤嘉浩取締役)と慎重な声が上がる。
 仕入れ先の中にはトヨタの計画に合わせて確保した人や材料が余り、人件費や倉庫代の負担に悩む業者も多い。トヨタは費用の一部肩代わりなどを検討中で、「大変な迷惑を掛け、信頼を失いかねない」(熊倉和生調達本部長)と危機感を強めている。 (C)時事通信社