後藤茂之厚生労働相は10日、米ファイザー社製の新型コロナウイルス経口治療薬「パキロビッドパック(国内販売名)」を特例承認した。同日に厚労省が薬事・食品衛生審議会の専門部会を開き、承認を了承していた。
 飲み薬としては米メルク製の「モルヌピラビル」に次いで2例目。重症化リスクを9割減らす効果があり、オミクロン株にも有効とされ、政府は今月中の実用化を目指している。服用しやすい飲み薬が複数確保され、流通量が増えることで医療現場の負担軽減が期待される。14日から医療現場に届けられるが、一部の薬とは併用できないため処方には注意が必要となる。
 厚労省によると、対象は成人または12歳以上かつ体重40キロ以上の小児で、重症化リスクを持つ軽症から中等症の患者。5日間にわたり1日2回投与する。
 一方、高血圧や不眠症などの既存薬と併用はできず、その数は約40種類に上る。添付文書では、パキロビッドパックを処方する場合、服薬中の薬を全て確認するよう求めている。
 専門部会でも委員から「慎重な投与が必要だ」との意見が出たことなどから、厚労省は27日までは全国約2000カ所の病院での院内処方に限定し、当面は慎重に使用する方針を示した。
 パキロビッドパックは、モルヌピラビルと同様にウイルスの増殖を防ぐ抗ウイルス薬。2種類の薬を併用する。米国では昨年12月に緊急使用許可が出ており、欧州でも今年1月に承認が勧告された。国内では同月に承認申請されていた。
 重症化リスクのあるコロナ患者を対象とした臨床試験(治験)では、入院または死亡のリスクが、発症後3日以内に投与した場合は89%、5日以内だと88%減った。約30%減だったモルヌピラビルと比べ、高い効果が期待されている。 (C)時事通信社