【ニューヨーク時事】米国で新型コロナウイルス対策として導入されていたマスク着用義務を撤廃する州が相次いでいる。感染力の強い変異株「オミクロン株」が日本より早い時点で猛威を振るったが、このところ東部州を中心に感染者が急減。国民の「コロナ疲れ」もあり、ウイルスと共生しながら社会の正常化を目指す動きが広がり始めた。
 9日にはニューヨーク、イリノイ、ロードアイランドの各州が、屋内でのマスク着用義務を終了すると発表。マサチューセッツ州のベーカー知事も同日、「(ウイルスは)当面われわれと共にある」との認識を示した上で、学校でのマスク義務付けを今月末で解除すると明らかにした。
 これに先立ちカリフォルニア、オレゴン、ニュージャージー、デラウェア各州なども、独自にマスク着用義務の緩和を表明している。フロリダやテキサスといった共和党知事の州では、以前からマスク義務化が禁止されてきたが、これまで厳格な行動制限を課していた民主党地盤の州にも、ここに来て規制緩和が拡大している。
 背景には、パンデミック(世界的流行)長期化に伴う「コロナ疲れ」の影響もありそうだ。先月31日に公表されたモンマス大の世論調査結果では「コロナを受け入れ、共に歩んでいく時だ」との意見に70%が賛成した。また、マスク着用のガイドライン(指針)策定に対する支持は、デルタ株が流行していた昨年9月の63%から、今年1月には52%に低下。当局による規制を不要とする考えが浸透しつつある。
 疾病対策センター(CDC)の集計によると、米国では1月中旬、7日間平均で見た1日当たりの新規感染者数が連日約80万人を記録したが、今月7日時点で約25万人にまで減少した。ただ、CDCのワレンスキー所長は9日、マスク着用義務の撤廃について「まだその段階にない」と述べ、警戒を緩めないよう呼び掛けている。 (C)時事通信社