自己免疫疾患の治療に役立つと、ビタミンDおよびω-3脂肪酸が注目されている。これらのサプリメント(サプリ)摂取が自己免疫疾患の発症にどのような影響を及ぼすかについて、米・Harvard T.H. Chan School of Public HealthのJill Hahn氏らは、2×2ファクトリアルデザインによるランダム化比較試験(RCT)で検討。結果を、BMJ2022; 376: e066452)に報告した(関連記事「ビタミンDで進行がん発症リスクが低下」)。

約2万6,000人を5年間追跡

 ビタミンDおよび青魚由来のω-3脂肪酸摂取による自己免疫疾患の予防効果については、いまだコンセンサスが得られていない。そこでHahn氏らは、2×2ファクトリアルデザインによる大規模なプラセボ対照ランダム化比較試験(RCT)、VITALを実施した。

 対象は腎不全、肝硬変、高カルシウム血症、がん(非メラノーマ皮膚がんを除く)、心血管疾患などの既往がない成人2万5,871人(男性50歳以上、女性55歳以上、女性50.6%、平均年齢67.1歳)。

 まず対象をビタミンDサプリ摂取群(2,000IU/日、1万2,927人)とプラセボ摂取群(1万2,944人)に1:1でランダムに割り付けた。さらに各群をω-3脂肪酸サプリまたはそのプラセボを摂取する群に1:1でランダムに割り付ける2×2ファクトリあるデザインを用い、最終的に①ビタミンD+ω-3脂肪酸集団(6,463人)、②ビタミンD+プラセボ集団(6,464人)、③プラセボ+ω-3脂肪酸集団(6,470人)、④プラセボ+プラセボ集団(6,474人)―に割り付けた。約5年間追跡し、自己免疫疾患の発症を比較した。なお、自己免疫疾患発症はカルテで確認した。

プラセボ群に比べ両サプリ摂取群でリスクが31%低下

 検討の結果、ビタミンD摂取の有無別に見るとサプリ摂取群では123例、プラセボ摂取群では155例に自己免疫疾患が発生し、ビタミンD摂取によるリスクの有意な低下が認められた〔ハザード比(HR)0.78、95%CI 0.61〜0.99、P=0.05〕。ω-3脂肪酸サプリ摂取の有無別に見ると、それぞれ130例、148例で、ω-3脂肪酸サプリ摂取群で自己免疫疾患のリスクが有意に低かった(同0.85、0.67〜1.08、P<0.19)。

 次に、ビタミンD・ω-3脂肪酸のプラセボ摂取集団に対する両サプリ摂取集団の自己免疫疾患リスクを検討したところ、リスクの有意な低下が認められた(HR 0.69、95%CI 0.49〜0.96、P=0.03)。同様に、ビタミンDサプリ摂取+ω-3脂肪酸プラセボ摂取集団でもリスクの有意な低下が確認された(同0.68、0.48〜0.94、P=0.02)。しかし、ビタミンDプラセボ摂取+ω-3脂肪酸サプリ摂取集団では有意差は示されなかった(同0.74、0.54〜1.03、P=0.07)。

 以上から、Hahn氏らは「約5年間に及ぶビタミンDサプリ摂取はω-3脂肪酸サプリ摂取の有無にかかわらず、自己免疫疾患のリスクを低下させる可能性が認められた。一方、ω-3脂肪酸サプリ摂取では、ビタミンDサプリ摂取の有無にかかわらずリスクの有意な低下はなかった」と結論。さらなる追跡による予防効果の持続について検討が必要とコメントしている。

 (松浦庸夫